【外壁の基本】住宅外壁の種類は?どれぐらいのタイミングで塗り替えすればいい?
住宅の外壁には様々な種類があります。中でも多くの住宅で採用されているのがサイディングです。
また住宅の外壁は風雨、紫外線、直射日光などに直接曝されるため、歳月の経過と共に劣化します。このため塗装をはじめ定期的なチェックとメンテナンスが必要になります。
今回は住宅に使われる外壁の種類や基礎知識、外壁塗装のタイミングについてご紹介します。
目次
住宅外壁の種類
サイディング外壁
モルタル外壁
ALC外壁
サイディング外壁のメリット
デザイン性が高い
比較的低価格な傾向にある
工期が短い
サイディング外壁のデメリット
基本は防水機能がない
定期的にメンテナンスが必要
外壁塗装のタイミング
外壁塗装劣化のサイン
外壁に色褪せが見られる
チョーキング現象が見られる
外壁の塗膜が膨れている、剥がれている
外壁にひび割れが見られる
まとめ
住宅外壁の種類
日本の住宅に使われる外壁材としては、以下が一般的です。中でも多くの住宅に採用されているのがサイディングではないでしょうか。
- サイディング(窯業系、金属系、樹脂系、木質系):板状の外壁材の総称。
- モルタル:砂/セメント/水を混ぜ合わせた素材。
- タイル:粘土をはじめとする原料を板状に焼き固めた素材。
- ALC:「Autoclaved Lightweight aerated Concreate」の略。軽量気泡コンクリートパネルとも呼ばれる。
そもそも外壁材とは、建物の外に面した部分で使われる素材や建材を指します。外壁材は建物の外観を大きく左右するもので、紫外線や雨、雪、騒音などから建物を守る役割があります。外壁の素材によって特徴は異なりますが、外壁材の質が悪かったり、長い期間メンテンスを怠っていたりすると、建物の耐久性が落ちてしまったり、劣化してしまう恐れがあります。
サイディング外壁
サイディングは、板状の外壁材の総称となっています。昨今の日本の住宅において最も使用されている外壁材であり、目にする機会も多いはずです。
外壁に使われるサイディングには、素材の違いによっていくつか種類があります。金属系サイディング、窯業系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディングといった種類が存在し、耐久性が高いものや熱に強いものなど、素材によって特徴が異なります。
モルタル外壁
モルタル外壁は、外壁サイディングが普及する前、古くから日本の木造住宅で広く使われていました。モルタル外壁とは、ラス(金属製の網)の上から、水・セメント・細骨材を調合し、それらを左官で塗っていき、その上から塗装を施し仕上げた外壁のことを指します。
モルタル外壁は、耐久性やデザイン性において優れますが、その反面、ひび割れが生じやすかったり、汚れが目立ちやすかったりするといった欠点もあります。
ALC外壁
ALC外壁のALCとは、「Autoclaved Light weight aerated Concrete」の頭文字をとっています。日本語に訳すと、「軽量気泡コンクリート」という意味になります。
ALC外壁の特徴として、耐火性・耐久性・耐熱性・耐震性に優れるという点がありますが、防水性が無く雨などの吸水性が高い、表面の強度が低いなどの欠点もあります。そのため、塗装作業を行うことによって、外壁に防水機能を持たせる必要があります。
一度水分を含んでしまうと、ひび割れなどの劣化が生じやすくなるため扱いにくい素材といえますが、火災や地震などが起きた場合に耐火性、耐震性に優れるため、住宅以外にも高層ビルや公共施設などで広く使われています。
サイディング外壁のメリット
外壁は種類により性能が異なるため一概に特徴を言い表すのは難しいです。ここではサイディングの外壁に注目し、主なメリットをご紹介します。
デザイン性が高い
窯業系サイディングは、サイディングの中でも、とりわけデザイン性が高く、カラーバリエーションも豊富なため、一般的によく選ばれる外壁サイディングといえるでしょう。
金属サイディングは窯業系サイディングと比較すると、選べるデザインは少ない印象です。
ただ、金属サイディングも、近年はデザインのバリエーションが増えてきているため、選ばれることも増えてきています。
木質系サイディングは、サイディングの中では価格が高めという欠点はありますが、質感がよく、高級感を醸し出すことが可能です。
比較的低価格な傾向にある
サイディングは、他の外壁と比較して、比較的安価なものが多いです。特に窯業系サイディングや金属系サイディングは特にコスパがよく、建築費やリフォームの費用を抑えたい方にとって、選択肢のひとつとなります。
ただサイディングの全てが安価なものというわけではありません。中には高額なものもあるので、しっかりと確認し、ご自身の予算にあったアイテムを選ぶとよいでしょう。
工期が短い
外壁サイディングの施工は、他の外壁の施工と異なり、薄い板状の建材を組み合わせながら施工していくので、施工自体が簡単で、工期が短いのが利点です。すでに住んでいる住宅の外壁を交換する際も、およそ1〜2週間程度で施工完了することができます。
サイディング外壁のデメリット
続いては、サイディングのデメリットをご紹介します。
基本は防水機能がない
外壁サイディングには、防水機能が存在しません。そのため外壁サイディングを行う場合は、シーリングや塗装などで防水機能をもたせる必要があります。
特に、雨が多く降る地域や、台風などの天災が多い地域には、外壁サイディングは向かないことも多いです。自分が住んでいる地域が、そのような影響を受けやすい地域に該当する場合は、慎重に検討してみてください。
定期的にメンテナンスが必要
住宅などの外壁には、どの素材を使っていてもメンテナンスが必要です。外壁サイディングの場合では、耐用年数は20〜40年程度と言われていますが、その間に何度か外壁表面の塗装を塗り替えなくてはなりません。
メンテナンスのタイミングとしては、およそ10年に1度が目安です。塗装が劣化した場合は、補修が必要になってくるので、メンテナンスにかかる費用を考慮する必要があります。
外壁塗装のタイミング
素材にもよりますが、サイディング外壁の主なメンテナンスは塗り替えです。
住宅の外壁塗装の役割は、住宅の美観保持と外壁保護の2つにあります。ところが外壁は風雨、紫外線、直射日光などの過酷な自然環境に直接曝されるので、歳月の経過と共に新築時の塗装が色褪せ、塗膜が汚れ、雨水が浸入し、やがて外壁自体が劣化してゆきます。
外壁が劣化すると防水性が消滅し、外壁材や住宅の構造体も劣化し、やがて家は廃屋状態になってしまう可能性があります。しかし一定期間ごとに外壁塗装をやり直すことにより、新築時の美観を保ち、外壁自体の劣化防止が可能になります。
外壁塗装をやり直すタイミングは7~10年が目安です。ただし環境にもよって異なるため、専門業者にチェックしてもらうのが無難です。
外壁塗装劣化のサイン
また外壁劣化のサインとして、一般に次の症状が挙げられます。理想はこのような症状が見られる前に塗り替えを行う形です。定期的に塗り替えを行うことで外壁の機能を保ちやすくなります。もし以下の症状を見つけたら、すぐに専門業者へ相談することをおすすめします。
外壁に色褪せが見られる
外壁のところどころに色褪せが見られるようになったら、それは外壁の塗膜劣化が始まっているサインと言われます。
チョーキング現象が見られる
外壁を撫でた時、手の平に塗料の色や白い粉が付くと、塗膜の劣化が始まっている「チョーキング現象」のサインです。これを放置しておくと外壁のひび割れ、鉄錆び・カビ発生の原因になります。早急な修繕が必要とされています。
外壁の塗膜が膨れている、剥がれている
この現象は塗膜の劣化が進行しているサインと言われます。こちらも早急な修繕が必要とされています。
外壁にひび割れが見られる
塗膜の劣化が重症化しているサインと言われます。放置しておくとひび割れ個所から雨が浸入するので、外壁自体の劣化原因になるとも言われています。ひび割れは外壁塗装リフォーム待ったなしのタイミングと言えるでしょう。
まとめ
現在の日本の住宅の外壁材として主流なのがサイディングです。他の外壁材と比較してもコストが安く、デザイン性が高い傾向にあるのが選ばれる理由となります。ただし選択肢はこれだけではありませんので、家を建てる際は自身の希望や環境に合わせた外壁材を選ぶ必要があります。
またどんな外壁でもいずれはメンテナンスが必要です。近くの専門業者を調べておくと、いざという時に相談しやすくなるかもしれません。