マンションリフォームで知っておきたいポイント

マンションは、管理規約によってリフォームできる箇所とできない箇所が決められています。マンションのリフォームは戸建てよりも制約がありそうだな…ということは、みなさんなんとなくおわかりかもしれません。では、どこまで可能なのか?できないことはどんなことなのか、具体的にはご存知でしょうか?
今回は、マンションのリフォームをご検討されているなら、ぜひ知っておきたいポイントをご紹介していきます。

■マンションでリフォームできない箇所

原則として「共有部」はできません。共有部は、マンション全体の大規模修繕やその箇所の耐用年数等の事情に合わせた修繕で対応するものになります。

「共有部」とは・・・ベランダ・バルコニー、窓枠、窓ガラス、玄関ドア(外側部分)、エレベータ、駐輪場、駐車場、建物の構造躯体であるコンクリートの壁・天井・床スラブ(構造床)

■マンションでリフォームできる箇所

「専有部」は個人でリフォームできます。

「専有部」とは・・・窓の内側から玄関の内側まで。居室内の壁紙・間仕切り壁・天井・床材、キッチン、トイレ、お風呂場、玄関ドアの室内側、玄関の鍵

マンションによっては、共有部であっても管理会社から許可が下りることがあるので、一度確認してみるといいでしょう。また逆に専有部であっても、管理規約でリフォーム不可となっている場合もあるので、ご自宅マンションの管理規約は必ず事前に確認しましょう。

 

■リフォームに制限のある可能性が高い箇所

基本的にはリフォーム可能だけれど、ケースバイケースでリフォームが難しかったり範囲が限定されてしまうこともあります。専門的な知識がないと判断できないかと思いますので、施工業者に相談が必要です。マンションの設計図などがあれば話が早いでしょう。

①間仕切り壁を撤去することはある程度は可能ですが、希望通りにできないことがあります。
「RC造」や「SRC造」といったマンションには、主に以下の2つのタイプがあります。
・「ラーメン構造」・・・柱や建物で支える。ドイツ語の「Rahmen(枠、額縁)」からきている。
・「壁式構造」・・・壁で建物を支える

「RC造」とは・・・鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete Construction)のこと。柱や梁など建物の骨格部分を構成する際に、コンクリートの中に鉄筋を入れて造る工法。
「SRC造」とは・・・鉄骨鉄筋コンクリート造(Steel Reinforced Concrete Construction)のこと。RC造にさらに鉄骨を内蔵させ、強度を上げたもの。

「壁式構造」は、室内にある間仕切り壁が建物を支えている状態なので取り払うことができません。ただし、建物構造に影響を与えない壁の場合は撤去が可能です。そのため、この構造の場合は間取り変更に制限ができてしまう可能性があります。

②水回りの配置を変えることが希望通りにできないことがあります。
排水管の移動が可能かどうかがポイントとなります。マンションの造りによっては希望の場所に水回りの設備を移動できない可能性があります。

 

■マンションリフォームで特に注意すべきこと

・ほとんどのマンションは、リフォーム工事をする前に管理組合や管理会社へ申請が必要です。工事届出用紙のフォーマットが用意されていたり、申請期限が決まっていることが多いので、事前に確認しましょう。
また、一緒に近隣の住民(上下左右のお宅が対象であることが多い)にリフォームする旨を伝えて、同意書のようなものを工事届出書と一緒に提出する場合もあります。もし、こういったルールがマンションに無くても、リフォームが決まったらご近所にはご挨拶に伺うといいでしょう。

・水回りを移動させるリフォームをする場合、近隣住民の方に迷惑がかかりにくいレイアウトにする配慮も必要になります。
例えば、トイレの真下や隣が下の階やお隣の寝室に位置すると、夜中にトイレに行った時に水を流す音が響いてしまう可能性があります。思わぬ音の伝わり方で近隣の住民とトラブルになることは避けたいものです。音の伝わり方について施工業者や設計士に相談することが大事です。

・住みながらのリフォームは可能ですが、工事の騒音が気になったり、工期が長くなってしまうのは不便だなとお考えでしたら、仮住まいを探しておく方がいいかもしれません。ご自分のライフスタイルに合わせて検討してみるといいかと思います。

 

■いまどきのリフォームとおすすめ機能

《キッチン》
今も昔も変わらぬ人気があるのは、何といっても取り出しやすく大容量な収納です。収納が使いやすければ、必然と料理の流れもスムーズになります。コロナ禍の影響や防災意識の高まりからたくさん買い置きをする家庭が増え、調理道具や食器だけでなくストックも上手に収納したいという声が多く、パントリーが注目されています。
ダウンウォールという使う時だけ昇降させる事ができる棚もおすすめです。通常の上部にある棚だと、特に上段はめったに使わないものを収納したり、取り出すのが億劫になってしまいしまいっぱなしになってしまうこともありますが、ダウンウォールなら上段も目の高さまで降りてくるので、背の低い女性にも使い勝手が良くて便利です。
また、タッチレス水栓もおすすめです。手が汚れている時にも便利ですが、節水という面でも効果を発揮します。

《お風呂》
浴室テレビやデジタルサウンドシステムを設置し、優雅なバスタイムを楽しむことができます。お家時間を充実させたいという思いからくるのかもしれません。
お風呂の鏡の水垢が落ちないという悩みをよく耳にします。そんな悩みを解決するのは、水垢を落としやすくする特殊なコーティングです。水や汚れをはじくので、キレイな鏡をキープできます。

《トイレ》
フタを自動で開閉したり、便器から立ち上がると自動洗浄をするトイレがおすすめです。センサーが人を感知して作動します。トイレのフタの開閉は腰が悪い方には意外と負担になりますが、腰への負担を減らすことができたり、小さなお子様の流し忘れを防いだりします。
また、便座裏や便器内を除菌するタイプもあり、除菌する事でトイレ特有の嫌なニオイの防止ができます。

《洗面所》
キッチン同様タッチレス水栓がおすすめです。
洗面ボウルとその周りの継ぎ目が無かったり、排水溝の栓の形状に工夫があり、お掃除しやすい洗面台も増えています。
洗面所も収納が充実していることがポイントにあると思いますが、小さなお子様がいる家庭におすすめなのが、スライド式の収納兼踏み台です。使う時だけ引き出して踏み台として使ったり、ふたを開ければ取り出しやすい収納となっていて、まさに一石二鳥です。また、女性におすすめなのは、細かなメイク用品などが出し入れしやすい工夫がされている洗面台収納です。朝の支度がスムーズになるのではないででしょうか。
また、洗面台を洗面所から移動させるリフォームもあります。水回りの移動が可能であれば、洗面台を廊下に設置することで、帰宅後の手洗いうがいがスムーズになります。さらに、洗面所の空いたスペースには棚を設置し、タオルや洗濯・掃除用品などをしまう収納を充実させる事ができます。

《リビング・居室》
お好みのデザイン・機能を選んでライフスタイルに合った空間をカスタマイズするのが「いまどき」です。
可動間仕切りで部屋を区切れば、普段はLDKとして広く使い、来客時は目隠しできるプライベート空間にできます。限られた空間を有効に使いたいマンションリフォームにはありがたい機能です。
クローゼットのシステム収納もおすすめです。可動式の棚板やパイプ・引出しを自由に組み合わせることができ、お子様の成長や家族構成の変化に合わせて自分で簡単に組み替えられるのでとても便利です。
また、見せる収納も人気があります。壁にシンプルな収納棚を取付け、趣味のものを飾ったり、実用品も工夫次第でおしゃれに収納する事ができます。玄関に取付けてお気に入りのシューズコレクションを見せる収納にしてもいいでしょう。
ワークスペースを造るという、このご時世ならではのリフォームもあります。広々としたデスクやパソコン・周辺機器の配置に便利な棚も取り付けることで、親御さんのリモート用の仕事部屋兼お子様の勉強部屋として充実のワークスペースになります。

《床》
マンションだと階下への音の響きが気になるのではないでしょうか。防音床の他にも、ペット可のマンションならペットが足滑りしにくい床材、小さなお子様がいるなら耐水性・抗菌性の高い床材やキズが付きにくい床材もおすすめです。また、建築廃材を再利用して作ったエコな床もあります。天然木の質感を再現していて素足で暮らしたくなるような床材もあるので、ライフスタイルや環境に合わせて最適の床を選べるといいですね。

《玄関》
マンションといえば一般的に玄関は狭い場合が多いかと思います。また、自転車通勤用に自転車を買い足したけど駐輪場も台数が限られているということもあります。そんな悩みを解決するには、思い切って玄関を広くするリフォームです。昨今人気のキャンプ用品や自転車を玄関に収納できたら便利ということで、人気のようです。今まで廊下だった部分や玄関すぐ近くの部屋の間取りを変えることで、マンションでも収納充実の広々玄関を手に入れることが可能です。

 

■マンションのリフォーム工事の流れと期間の目安

マンションのリフォームする際の主な工事の流れは以下のとおりです。
リフォームのプランを検討

施工業者に相談・見積

契約

管理組合への連絡(工事届出書の提出)やご近所へのご挨拶

(必要な場合のみ仮住まいへお引越し)

工事

完成・お引渡し

では、マンションのリフォームの工事期間はどれくらいかかるものでしょうか?
※あくまで一般的な目安なので、依頼する際に施工業者とよく確認する事が大切です。

フルリフォーム(全面リフォーム)・・・約2週間~数カ月
洋室6帖フローリング工事・・・1~3日
トイレ ・・・1日程度
キッチン・・・2日~3日
お風呂 ・・・ 2日~1週間
壁  ・・・1日~2日

■マンションリフォームの費用の目安

リフォームをする場合のおおむねの費用例をご紹介します。
※あくまで一般的な目安です。オプションの有無で大きく変わることもありますので、施工業者によく確認しましょう。
3LDKのお住まいの内装全体・・・81〜150万円
システムキッチン交換・・・50〜150万円
トイレ・・・15〜50万円
お風呂・・・50〜150万円
洗面台/洗面所・・・10〜50万円

 

■川崎市のマンションリフォームの補助・助成等

川崎市では、耐震・省エネ・バリアフリー改修工事を行った住宅に対する固定資産税の減額制度などがあります。ご自宅のマンションのリフォームに合う制度かどうか、事前に問合せして詳細を確認すると良いでしょう。
●詳しくはこちら
(補助・助成について)
https://www.city.kawasaki.jp/kurashi/category/24-4-16-0-0-0-0-0-0-0.html

(川崎市住まい助成制度等ご案内)https://www.city.kawasaki.jp/500/cmsfiles/contents/0000120/120881/2021jyoseiseido.pdf

■まとめ

マンションは、戸建てに比べてリフォームできる範囲やバリエーションがどうしても限られてしまうことが多いです。そんな中でも、理想の住まいにリフォームするには、下調べ・確認がとても大事になります。マンションによって管理規約は異なりますので、ご自分のマンションにはどんなルールがあるのか事前に把握することで、ダメだと思っていたけど可能だったんだ!という発見があったり、反対にできると思っていたのでうちのマンションはダメなのか…とプランを練り直すことを防げます。
しっかり事前の情報収集をすることで、素敵なリフォームができるのではないでしょうか。

・弊社の施工事例もよろしければご覧ください。
https://tae-reform.com/case-cat/apartment

 

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