マンションのリフォームに失敗しないコツ

マンションをリフォームする上で、「今使っている浴室の不便さを解消したい」、「中古マンションを購入して自分ちの好み通りにリフォームしたい」、「ライフスタイルが変化し、今の間取りは不便」など、目的や動機は様々です。

だからこそリフォームに成功するための方法もそれぞれ異なります。各々の状況を見極めた上で、その状況に合わせて判断する必要があるのです。

ここではマンションのリフォームに失敗しないためのコツを解説します。

目次

マンションのリフォームに失敗しないコツ
マンションをリフォームする手順
マンションリフォームの意外な盲点、できることとできないこと
マンションでリフォームできる場所
(1)リフォームができるのは専有部分のみ
(2)間取り変更はできるが……
(3)天井高の変更はできる
(4)内装は変更できる
(5)窓の内側は変更できる
(6)玄関ドアの内側も変更できる
(7)コンセントの移動・増設はNGの場合も
マンションでリフォームできない場所
マンションのリフォーム工事会社選びのポイント
(1)マンション開発会社のリフォーム工事部門
(2)住宅設備メーカーのリフォーム工事代理店
(3)工務店
(4)リフォーム工事専門会社
まとめ

 

マンションをリフォームする手順

まず確認したいのが、一般的なマンションリフォーム手順です。

  1. リフォームの目的を明確にする
  2. リフォームの優先順位を決める
  3. リフォーム工事予算を決め、リフォーム工事の資金調達計画を立てる
  4. マンションのリフォームに関する信憑性のある情報を幅広く集める
  5. 集めた情報に基づきリフォームのイメージを具体化する
  6. 複数のリフォーム工事会社から相見積を取る
  7. リフォーム工事を依頼する会社を決定し、リフォーム工事契約を結ぶ
  8. リフォーム工事開始・完了・物件引き渡し

特にリフォームの目的や優先順位が曖昧だと、完了後に「仕上がりが理想と違う……」とがっかりする確率が上がるかもしれません。自分達がなぜリフォームしたいのかを頭に入れた状態で業者に相談すれば、より希望に沿ったアドバイスももらいやすくなるはずです。

マンションリフォームの意外な盲点、できることとできないこと

マンションは戸建て住宅と異なり、集合住宅の特性から入居者が勝手にリフォームをしてはいけない場所があります。「区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)」に基づき管理組合が定めた「マンション管理規約」と「マンション使用細則」があるからです。このためリフォームをする場合は、このルールを守る必要があります。

マンションでリフォームができる場所は入居者(分譲マンションの住戸所有者)の自宅に当たる「専有部分」に限られています。「共用部分」と「専用使用部分」についてはリフォームができません。

またリフォームをする場合は、管理組合の事前許可を受ける必要があります。これを怠ると管理組合から工事差し止め、原状回復などを請求されるのが通例です。

マンションでリフォームできる場所

一般的なマンションでリフォームが「できる、できない」の具体的な場所は次の通りです。詳細は建物により異なるため、事前に管理組合に確認することをおすすめします。

(1)リフォームができるのは専有部分のみ

リフォームできるのは、原則として専有部分のみです。一般的には玄関ドアの内側からベランダ・バルコニーの窓枠内側までの住戸内となります。玄関ドア、ベランダ・バルコニー、窓枠などは入居者が自由に使用できる「専用使用部分」ではありますが、マンションの「区分所有」の上では「共用部分」の扱いになっています。

(2)間取り変更はできるが……

一般的な鉄筋コンクリート造りのマンションは、住戸内の壁は構造材ではないので撤去できる設計になっています。したがって2部屋を1部屋にする、1部屋を2部屋にするなどの間取り変更は容易にできます。ただし給排水管の位置変更には制約があるので、キッチン、浴室、トイレなど水回り設備の場所変更はできないケースがあります。

(3)天井高の変更はできる

マンションの天井裏と梁の間には数十センチの空間が設けられており、この空間も専有部分になっています。したがってこの空間を縮めて居室の天井を高くするリフォームができます。

(4)内装は変更できる

住戸内の壁・床・天井の内装変更、居室の「内装ドア」変更などは自由にできます。また壁・床・天井材と内装の間に断熱材を入れて断熱性を高めるリフォームも自由です。

(5)窓の内側は変更できる

ベランダ・バルコニーの窓枠、廊下に面した小窓枠などは共用部分なので変更できません。ただし窓枠の内側は専有部分なので、断熱性を高めるための内窓設置は可能です。

(6)玄関ドアの内側も変更できる

玄関ドアは共用部分なので変更できません。ただしドアの内側は専有部分なので、塗替え、補助錠設置などは可能です。

(7)コンセントの移動・増設はNGの場合も

コンセントの移動は基本的に可能ですが、増設は電気使用量の増加に繋がるので、NGになるケースがあります。またエアコンの増設、オール電化、床暖房設置などのリフォームも、同じ理由でNGになるケースがあります。

マンションでリフォームできない場所

ベランダ・バルコニーは共用部分なので、リフォームはできません。給排水管、ガス管、電気配線管なども共用部分なので移動できません。基本的に配管の移動を伴うリフォームは、マンションでは不可能と言えます。

また分譲マンションでは、すべての入居者が快適な生活を送れるよう「マンション管理規約」が定められています。この規約の細則でリフォームに伴う内装材、電気・ガス容量、工事の際の資材搬入経路、工事時間などの「リフォームルール」が細かく定められています。

このためリフォームをする場合は、その計画を立てる前にマンション管理規約・細則の確認が不可欠と言えます。

マンションのリフォーム工事会社選びのポイント

リフォーム工事会社を選ぶ際にまず知っておきたいことは、「口コミサイト等の情報は当てにならない」と言うことです。なぜなら、口コミ情報はポジティブな情報よりネガティブな情報が好まれる傾向があるからです。

何か気に入らないことや不満があると、人はそれを「周囲に知ってもらいたい」心理が働きます。その結果、自分のマンションリフォーム工事でトラブルを経験すると、それを口コミサイトやSNSに投稿するのは珍しくありません。その一方で費用的にも内容的にもリフォーム工事に満足した人が、それを口コミサイトやSNSに投稿するのは稀です。つまり口コミ情報は偏った情報と言えるでしょう。

そしてマンションのリフォーム工事会社には様々な業態があります。基本的には下記に分類できます。マンションのリフォーム工事会社を選ぶ際は、下記の特徴を踏まえ、相見積を取った上で、

  • マンションのリフォーム工事の実績
  • 施主の要望を反映したリフォーム提案をしてくれるか、
  • リフォーム工事の疑問に対する説明は明快か
  • 工事の保証やアフターフォローの内容は納得できるか

などを確認して選択すると良いでしょう。

(1)マンション開発会社のリフォーム工事部門

大手マンション開発会社の多くは自社が開発したマンションの管理とメンテナンスを行うため、管理組合の委託を受けたマンション管理部門とリフーム工事部門を持っています。この両部門は自社ブランドの信頼性の高さを武器に、自社開発物件だけではなく他社開発物件もカバーしています。

しかし、広範囲の物件をカバーするための営業管理経費がかかることもあり、リフォーム工事費は一般に高額化する傾向があります。また実際の工事は協力会社の工務店に丸投げし、その利鞘を稼ぐ傾向もあります。実態を調べてみることをおすすめします。

(2)住宅設備メーカーのリフォーム工事代理店

住宅設備メーカーの場合、自社が販売した住宅設備交換のリフォームにおいては、自社系列のリフォーム工事代理店に委託するのが一般的です。

住宅設備メーカーが社員を講習し、認証したリフォーム工事会社と言う点では安心感がありますが、代理店の管理費などが加算されるのでこちらも工事費は割高の傾向があります。

(3)工務店

工務店の大半はリフォーム工事も営業品目の1つにしています。

しかし多くの工務店は戸建て住宅の施工が中心で、マンションのリフォーム工事の実績が少ないケースも珍しくありません。この面での実績や評判は確認しておく必要があります。

(4)リフォーム工事専門会社

近年増加しているのがリフォーム工事専門会社です。工務店のリフォーム工事部門が分離・独立した会社が多いと言われています。住宅建築技術をベースにしているので、戸建て住宅、マンションを問わずリフォーム工事に関する専門知識と経験は豊富です。また地域に密着して長年営業してきた工務店が母体なので、工事品質やアフターフォローの信頼性は高いと言えるでしょう。

ただしこちらも業者により多く手掛けている分野が偏っているため、マンションのリフォーム実績の有無については要確認です。

まとめ

マンションのリフォーム工事においては、工事会社の業態と特徴により、得手・不得手があります。マンションリフォーム工事の実績が豊富か、施主の要望を反映したリフォーム提案をしてくれるか、工事の保証やアフターフォローが万全かなどを確認してから工事依頼をすると、リフォーム失敗のリスクを極小化できるでしょう。

間違っても工事の安さや親戚・友人の推薦だけを基準にした工事会社選びは避けるべきです。

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