内装のリフォームに失敗しないコツ

「もっと住み心地を良くしたい」と決断した自宅の内装リフォーム。しかしいざ実施してみるとかえって使い勝手が悪くなった、生活動線が悪くなった、想像していた間取りにならなかったなどの失敗もあります。ここでは成功率をアップするための内装リフォームのコツを解説します。

目次

内装のリフォームに失敗しないコツ
内装リフォームの目的とは
内装リフォーム工事会社の選び方
(1)施主のリフォーム計画を的確に理解し、適切なアドバイスをしてくれる
(2)施工実績が豊富
(3)アフターフォローが充実している
(4)複数の工事会社から相見積を取る
リフォーム工事前に確認しておくべきこと
(1)自分たちの計画通りのリフォームができるのか?
(2)寸法の確認
(3)工期の確認
(4)築年数が古い場合はリフォームが不可能な場合も
(5)マンションの場合は管理組合に確認
内装リフォーム成功のポイント
手順1:内装リフォームの目的を明確化する
手順2:情報収集をする
手順3:資金調達計画を立てる
手順4:相見積を取る
手順5:最終見積と工事計画を確認して契約を結ぶ
手順6:工事完了・物件引き渡し
まとめ

内装リフォームの目的とは

内装リフォームの最大の目的は、築年数の経過で劣化してきた建物内部の改修や省エネ性に優れた住宅設備への取替えにあります。内装リフォームのタイミングは、一般には次が目安です。

  • 築5-10年:軽度の劣化が見られ、住み心地に不快を感じる時がある(行うリフォーム:床材の補修・張替、壁紙・クロスの張替、天井の補修・張替など)
  • 築10-15年:建物内部の劣化が進み、住み心地も悪化(行うリフォーム:畳の張替、水回り設備の補修・交換、内壁の補修など)
  • 築15-20年:建物内の基礎部分の劣化が進む(行うリフォーム:床材・天井材・内壁の張替、給排水管の点検・補修など)
  • 築20年以上:建物内の基礎部分の劣化が顕著(行うリフォーム:床材・天井材・内壁の張替、建具・間仕切りの補修・交換など)

この他、築年数のタイミングではなく必要に応じて行う、次の内装リフォームもあります。

  • 壁紙・クロスの張替:内装のイメージチェンジ効果がある
  • 畳敷きからフローリングへの変更:内装のイメージチェンジ効果がある
  • 居室間仕切りの変更:ライフスタイルの変化に合わせた居室空間の確保
  • 和室から洋室への変更:内装と家全体のイメージチェンジが可能。このリフォームでは床リフォーム、壁・天井リフォーム、収納リフォームなどをセットで行うことが多い

内装リフォーム工事会社の選び方

内装リフォームの満足度は、工事を依頼したリフォーム工事会社の提案力、施工力、アフターフォローなどにより天地の開きがあると言われています。では満足度の高いリフォーム工事会社は何を基準に選べば良いのでしょうか。

(1)施主のリフォーム計画を的確に理解し、適切なアドバイスをしてくれるか

内装リフォームを成功させるためには、自社の豊富な施工実績に基づいた適切なアドバイスをし、施主のパートナーになってくれるリフォーム工事会社の選定が何より重要です。

自社ファーストのリフォーム工事を提案してくる会社は言うまでもなく、スムーズに話が通じると感じる「イエスマン」的な営業社員も注意が必要です。イエスマン的な営業社員は「それはいいですね」と施主の計画をすべて受け入れてくれる反面、自社で不可能な工事も安請け合いしているので、リフォームアフターは施主の計画と大違いになり、後悔するケースが実際にあるからです。

(2)施工実績が豊富で、説明が明確か

住宅施工実績というのは、その企業の実力を見極める目安です。また施工力に自信のある会社は、自社の施工事例、施工法の違い、工事費の違いなどを詳しく説明してくれるはずです。そうでない会社はこれらの説明を曖昧にし、言葉巧みに工事契約締結へ話を誘導する傾向があります。後のトラブルを避けるためにも、不明点は契約する前に確認するのが基本です。

(3)アフターフォローが充実しているか

内装リフォームのアフターフォローに法的な基準はありません。しかし中には、リフォーム工事保証、リフォームアフターの定期点検など独自のアフターフォロー制度を整えているところもあります。ただし制度が充実している分、費用が高額になる可能性も考えられるため、内容を事前に確かめましょう。

(4)複数の工事会社から相見積を取る

「費用が千差万別」と言われるリフォーム工事では、複数のリフォーム工事会社から相見積を取るのがリフォーム成功のポイントの1つです。目安として3~4社から相見積をとり、工事費の「高い安い」の比較ではなく、見積の妥当性を基準に判断すると良いでしょう。

リフォーム工事前に確認しておくべきこと

内装リフォームをするに当たっては、事前に確認しておくべき事項があります。一般に確認すべき事項として、次が挙げられます。

(1)自分たちの計画通りのリフォームができるのか?

戸建て住宅においては、例えば2部屋を1部屋にしようとしても、構造の関係から壁を撤去する間仕切り変更をできない場合があります。またマンションにおいては、キッチン、浴室など水周りのリフォームはマンション全体の配管の関係で位置変更ができない場合があります。

したがって自分たちが考えているリフォーム計画が可能か否か、事前にリフォーム工事会社に相談しておく必要があります。

(2)寸法の確認

例えば居室間仕切り変更で部屋に棚や収納を新設する場合、部屋の広さを十分確保できるか、家具を設置するスペースを確保できるかの確認が必要です。またキッチン設備の交換においてはキッチン室の高さの確認が必要です。これを怠るとシステムキッチンの上部に吊戸棚、収納などを取り付けられない事態が発生します。

寸法は内装リフォームの盲点になりやすいので、部屋と家具・家電の寸法の事前チェックが重要です。

(3)工期の確認

リフォームの種類やリフォーム個所の劣化状況によっては、工期が長引く可能性があります。

例えばキッチンリフォームの場合、通常の工期は2日―6日とされています。しかしキッチン設備の場所移動、給排水管の位置変更、劣化した床材の補修・張替などの付帯工事が必要な時は、工期は3週間以上と言われています。この間、自宅での炊事ができず、食事は外食かフードデリバリーで賄うことになります。工事を依頼する際は工期の確認が不可欠です。

(4)築年数が古い場合はリフォームが不可能な場合も

木造住宅の法定耐用年数は22年、マンション等の鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年となっています。法定耐用年数を過ぎた住宅は内装リフォーム工事をすると建物全体にダメージを与えるなど建物の耐久性が低下するケースがあります。

したがって築年数が古い住宅の場合は、工事を依頼する前に住宅診断等でリフォーム工事が可能か否かを確認しておく必要があります。

(5)マンションの場合は管理組合に確認

マンションの場合、リフォームできるのは専有部分の住戸内だけです。そしてマンション全体の品質を保つ観点から、住戸内であっても管理規約で内装リフォームに制約事項を設け、管理組合の事前承認が必要なケースがあります。この確認を怠ると、管理組合にリフォーム工事中止や原状回復を請求されるおそれがあります。

内装リフォーム成功のポイント

内装リフォームに成功するためには、踏むべき手順があります。手順通りにすれば「初めてのリフォーム」でも心配事はなくなるでしょう。

手順1:内装リフォームの目的を明確化する

最初に家族会議等で内装リフォームの目的を明確にし、それを家族で共有します。そのために家族一人一人が感じている不満・不都合を洗い出します。

例えば、

  • 間取り………生活動線が悪い
  • キッチン……収納が少ない、場所が狭い
  • 浴室…………カビが取れない、風呂釜の燃費が悪い
  • リビング……床・壁・天井汚れがひどい、床・壁・天井が結露する

などです。

そして洗い出した不満・不都合の優先順位をつけ、優先順位の高いものをリフォーム対象にします。

手順2:情報収集をする

リフォーム対象が決まったら、リフォーム専門雑誌、リフォームセミナー、リフォーム工事会社への資料請求などで情報を広く集めます。情報を集めることにより、自宅のリフォームのイメージが具体化するでしょう。

手順3:資金調達計画を立てる

自宅リフォームの青写真が固まったら予算を立て、次に資金調達計画を立てます。

住宅リフォームの場合、国と自治体が様々な住宅リフォーム支援措置を行っています。これらの情報を国や自治体のWebサイトで集め、自己資金、金融機関の住宅リフォームローン、国や自治体の支援措置の3点セットで検討すれば、家計にあまり負担がかからない予算設定ができるでしょう。

手順4:相見積を取る

予算を決めたら、先の「内装リフォーム工事会社の選び方」で述べた「複数の工事会社から相見積を取る」の要領で相見積を取ります。

そしてリフォーム工事会社が提出した見積、リフォーム提案などの内容を比較検討し、工事依頼先を決定します。

手順5:最終見積と工事計画を確認して契約を結ぶ

工事会社が作成した「リフォーム工事実施計画書」に施主の要望が反映されているか、住宅設備を交換する場合はメーカー・製品・サイズに問題はないかなどを確認します。

また契約書、設計図面、見積明細書などについては十分な説明を受け、不明点をすべて解消してから契約を結びましょう。

手順6:工事完了・物件引き渡し

リフォーム工事が完了すると、物件引き渡し前に施主立会いの「工事完了検査」が行われます。この時は設計図面・仕様書を持参し、工事会社の検査説明の内容と設計図面・仕様書の内容に食い違いがないかの確認が重要です。

また施主一人の立会いでは見落としが発生しがちなので、家族全員での立会い確認を行うのが無難です。

まとめ

リフォームは契約前にしっかりと確認することで後の成功率を高めることができます。大きな出費だからこそ、細部まで確認し、納得してから契約するようにしましょう。

また内装リフォームはその種類と工事規模により工事内容や費用が大きく異なります。安ければよいというものではなく、費用に見合った工事を行ってもらえるかどうかを基準にすることをおすすめします。

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