とにかくリフォーム費用を安くしたい

本日の一問一答

Question

なんでもいいから安くリフォームして!

Answer

荒波にもまれる愛妻家で恐妻家の親バカがお答えします。

すべての建築工事において同種の工事を行った場合の総額費用を安くする場合、業者として取ることができる選択肢は3つあります。ただし、選んでも問題ない選択肢は実は1つしかありません。


その唯一無二の選択肢とは、『仕切り価格の安い商材を利用する』ことです。
なーんだそんなことか、他にもなんか方法があるだろう、と聞こえてきそうです。
それでは残された問題がある選択肢とは何でしょうか。


残された問題のある選択肢の一つは、『職人費などの直接工事費を減額する』ことです。
これは言わずもがな、まさに手抜き工事を黙認する行為になります。これは何が何でも良くないことです。

もっと怖いこと言えば減額しておいて手抜き工事をさせずに働かせるのであれば、職方に人間らしい生活を送らせない強制労働を強いていると言う意思表示にすらなります。 一人前の職方が自分の道具や車両を使って、1人工2万円では正直言ってギリギリの生活になります。これ以下はどうやってもありません。未だ修行中の身の10代や20代前半であれば日当1万円の日当月給制の職方もいるかもしれません。他にも弊社社員職人たちのように、社会保険完備で基本給があり、道具も車両も交通費も支給されているのであれば、月給30万円程度でも十分やっていけるのかもしれません。

ただし弊社の一人前の親方給は最低ラインで40万円としていますし、実力を認めた敬愛する親方には60万円(少なかったらゴメンナサイ)をお支払いしています。

36協定で26日間勤務だったとして割り算しても日当23,000円となります。これに社会保険会社負担金、車両費、交通費、道具損料、現場消耗品費などを勘案したら、一人前の親方に仕事を依頼するのであれば、1人工30,000円は当然の支払額と言えます。ここを削るわけには参りません。


もう一つの問題のある選択肢は、『受注金額の利益を減額させる』ことです。

お客様にとって一見して良いようには感じます。とりあえず目先の工事費用は安く済むでしょう。しかしどうでしょうか、建築業界の利益率は過当競争により練られており、今や純利益5%を維持できない元請け会社など無数に存在しています。大手のIR情報などを見てもマイナス利益なんてこともあります。


公共事業を請け負うスーパーゼネコンですら厳しい状況が続くのですから、街の小規模工務店など、ほんの少しのことで吹き飛んでしまいます。本当にほんの少しです。

100万円の工事見積書を見て、『○○さん、これ税込100万になる? 税込にするなら今すぐ契約するよ。』などと言われ契約したら即死活問題になってしまいます。ほんの少しの減額って100万円のお見積もりであれば、1万円未満。それでも正直言えば、「誰かが半日タダ働きしないと取り戻せないな…。」と考えてしまう金額です。

そのような減額を強いられ契約した場合に果たしていい関係のまま、一生懸命お客様のために尽くしきることができるでしょうか。
微塵たりとも嫌な気持ちを持たずに些細なご要望にもサッとお応えすることができるでしょうか。
人間は感情を持った動物です。できることなら『値切り無し』で気持ちよく働きたいと考えるのは普通のことなのです。

例えばお客様のお子様がアルバイトをするとします。約束では1日5,000円もらえるハズでした。ところがアルバイト初日に「申し訳ないが経費を少しでも安くしたいから1日4,800円にしてくれ。それなら今日から働いてもらいたい。」って言われて、渋々アルバイト初日を終えて親であるお客様に報告してきたとしたら、どうお考えになりますでしょうか。とてもいい気持ではいられないのではないでしょうか。



少々回りくどいお話しを致しましたが、この受注金額の利益幅を削がれた会社の末路は…。そうです、倒産が待ち受けています。大々的にブチ上げた5年保証や10年保証なんて会社倒産してしまえばあってないようなものです。

仮に保証会社引き受けの保険に入っていたとしても、発注し工事を行った施工店が倒産してしまうことはお客様にとって何一つ良いことはありません。健全な利幅で堅実に成長し、末永くお客様との良好な関係を築きたいと願うのは、私だけではないはずです。

『建築産業はクレーム産業』などと揶揄される業界ではありますが、携わる多くの業界人たちはお客様もお客様のご家族も幸せにしたい、満足して欲しいと願っていますし、そのためにも技術の研究に余念がありません。だからこそ健全な利益率を守って行きたいと考えいます。

ご質問ありがとうございました。