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全面リフォームでキッチンを対面にしたい、高さを体に合わせて変えたいと考えた時、形と高さのどちらから決めればよいか迷う方もいると思います。家全体を改修する時は、キッチンの位置や向きを、間取りや配管、換気と合わせて計画し直せます。形の名前から選ぶより、使う人の動きと建物の条件から考えると決めやすくなります。
全面リフォームでは、キッチンの位置から考え直せる
同じ場所での入れ替えなら、今の配管や壁に合わせて選ぶことになります。全面リフォームで床や壁を開け、配管や配線まで見直す計画なら、キッチンの位置や向きを、リビングやダイニングとのつながりから考え直せます。
一方で、建物には動かせない柱や壁、配管の通り道、換気の出口があります。どの形が合うかは、家族の使い方と建物の条件の両方で決まります。家全体の改修については、住まいのフルリフォームのページでもご案内しています。
キッチンの形は、並び方と置き方の組み合わせで考える
キッチンの呼び方には、作業する台の並び方を表すものと、部屋の中での置き方を表すものがあります。I型・L型・II型(セパレート型)は並び方、壁付け・ペニンシュラ・アイランド・独立型は置き方の呼び名です。ペニンシュラ型のI型キッチンのように、二つを組み合わせて考えると整理しやすくなります。
並び方(I型・L型・II型)
- I型:シンク、調理する場所、こんろが一列に並ぶ形です。壁付けにも対面にもでき、横幅の中に作業の場所をまとめます。
- L型:台をL字に曲げた形です。シンクとこんろの間を、体の向きを変えて行き来できます。角の部分の収納は、使い方を先に決めておきたいところです。
- II型(セパレート型):台を2列に分け、シンクとこんろを別々の台に置ける形です。作業の場所を取りやすい一方、台の間を振り向いて移る動きや、床に落ちる水滴に気を配ります。
置き方(壁付け・ペニンシュラ・アイランド・独立型)
- 壁付け:台を壁に向けて置きます。リビングやダイニングを広く取りやすい一方、作業中は部屋に背を向けます。
- ペニンシュラ:台の片側の端を壁に付けた対面の置き方です。アイランドより通路が少なく済み、こんろを壁側に寄せれば、油はねやにおいの広がりにも配慮しやすくなります。
- アイランド:台の両端が壁から離れ、まわりを回れる置き方です。行き来しやすい反面、両側に通路が要るため、広さに余裕が必要です。
- 独立型(クローズドキッチン):壁や扉で部屋と区切った台所です。においが広がりにくく、手元も見えにくい一方、ダイニングまで料理を運ぶ距離や、家族の様子の見えにくさを考えます。
台所と部屋を壁で区切らない形はオープンキッチン、対面の前に天板より少し高い壁や棚を立ち上げて手元を隠す形はセミオープンと呼ばれることがあります。どこまで開くかで、リビングからの見え方と、会話のしやすさの釣り合いが変わります。
キッチンの高さは、使う人と作業の姿勢で選ぶ
キッチンの高さは、床から天板(ワークトップ)の上面までの高さです。低すぎると前かがみになりやすく、高すぎると腕や肩が上がりやすくなります。
身長から目安を出す考え方もありますが、それは出発点と考えてください。同じ身長でも、腕の長さ、台所で履く物、使うまな板の厚さ、シンクの深さで、楽に感じる高さは変わります。家族で身長に差がある場合は、誰がいちばん長く台所に立つかを先に話し合っておくと選びやすくなります。
95cmなど、高めの天板を考える時
95cmのように高めの天板にするか迷う時は、数字だけで決めず、その高さで体を動かして確かめましょう。製品の展示場などで、ふだん台所で履く物に近い状態で立ち、洗い物、包丁で切る、鍋を持ち上げてこんろに置く、の三つの動きを試してみてください。
シンクで洗う時と、こんろで鍋を扱う時とで、楽な高さが同じとは限りません。II型のようにシンクとこんろを別の台にする計画では、それぞれの台の高さも検討の対象になります。
対面キッチンで、図面の段階で決めておきたいこと
対面にすると、リビングから台所が見えるようになります。手元を隠す腰壁やカウンターの高さは、片付けへの気遣いと開放感の両方に関わります。カウンターで食事をする計画なら、椅子の高さとも合わせて考えます。
通路の幅は、キッチンと背面の収納の間を何人で使うか、食器洗い乾燥機や冷蔵庫の扉を開けた時に人が通れるかで考えます。前側に吊り戸棚を付けない計画なら、その分の収納を背面の棚や食品庫で補います。においや煙、食器洗い乾燥機の音がリビングへ届きやすくなる点も、換気扇の位置と合わせて確かめます。
冷蔵庫やごみ箱、電子レンジの置き場所も、後回しにせず図面で決めておきます。毎日の動きを振り返る方法は、間取りを変える前に、家族の動きから考えるでも紹介しています。
戸建てとマンションで変わる、位置と設備の条件
ガスこんろなど火を使う設備を設けた台所には、建築基準法施行令で換気設備の基準が定められています(一定の条件に当てはまる台所は除かれます)。こんろの近くに付ける排気フードは、不燃材料で造ることとされています。アイランドのように壁から離れた位置にこんろを置く時は、排気の通り道を先に考えます。
戸建ては、火を使う台所の内装の決まりを確かめる
耐火構造ではない木造2階建ての1階にガスこんろのキッチンを置く場合、壁と天井の室内側の仕上げに決まりがあります。建築基準法施行令では、階数が2以上の住宅(特定主要構造部を耐火構造とした建物を除く)の最上階以外の階で、こんろなど火を使う設備を設けた部屋が対象です。仕上げは準不燃材料とするか、国土交通大臣が定める材料の組み合わせによります。キッチンを最上階に移す計画なら、この決まりの対象からは外れます。
この決まりは、火を使う設備を設けた部屋の壁と天井にかかります。キッチンとリビングを壁で仕切らず一つの部屋にする間取りでは、どこまでが対象の部屋になるかを、IHクッキングヒーターにする場合の扱いも含めて、設計の段階で確かめます。
マンションは、排水の傾きと共用部分を確かめる
マンションでは、台所の排水を建物共用の縦管(立て管)までつなぎます。国土交通省のマンション標準管理規約のコメント(別添2)では、給排水管を改修する工事を理事会の承認が要る工事の例とし、排水の傾き(排水勾配)が確保されているか、共用の縦管との接続位置を変える場合の加工を確かめる条件として挙げています。
標準管理規約では外壁は共用部分とされ、同じコメントの別添2には、建物の状況によっては、コンクリートに配管などを通す穴(スリーブ)を増やすことを禁止する定めの例も示されています。レンジフードの排気をどこから外へ出すかで、キッチンを置ける位置が決まることがあります。
電気の契約量を一定以上に増やす設備の工事も承認が要る例に挙げられており、IHクッキングヒーターなどを考える時は使える電気の量も確かめます。処理槽の無いマンションでの生ごみ処理機(ディスポーザー)の設置は、禁止を定める例として示されています。
標準管理規約は国が示すひな形で、それぞれのマンションの事情に応じて修正して使うことが望ましいとされています。実際の決まりは、お住まいのマンションの管理規約と使用細則で確かめます。マンションで手を加えられる範囲は、マンションのフルリフォームでできること・できないことで詳しく整理しています。
迷った時は、使い方、建物の条件、実物の順に決める
形と高さを一度に決めようとすると、比べる点が多くなります。次の順に一つずつ決めていくと、後からの変更を減らしやすくなります。
- 誰が、どのくらいの時間台所に立ち、その間に家族とどう過ごしたいかを書き出す
- 戸建てかマンションか、配管や換気の出口、動かせない柱や壁など、建物の条件を確かめる
- その条件の中で、置き方と並び方の組み合わせを決める
- 候補の製品で、高さ、奥行き、収納を実物で確かめる
キッチンの形と高さは間取りや配管と結びついているため、計画の早い段階で考え始めると、選べる幅を保ちやすくなります。当社は、住まいのフルリフォームなど、まとまった工事を中心に承っており、設備機器の交換のみの工事は承っておりません(以前にご依頼いただいたお客様は、工事の規模にかかわらずご相談ください)。形がまだ決まっていなくても、今の台所で困っていることや、家族の過ごし方を整理した段階でご相談いただけます。工事のご相談のページから、建物の場所とお考えの内容をお知らせください。
