フルリフォームの費用は何で決まるか。内訳と増減する要因

編集・掲載:株式会社スマイルプラス

フルリフォームの費用は、床面積だけで決まるものではありません。どこまで解体してつくり直すか、建物の状態、選ぶ設備や仕上げ、マンションの規約などの条件が重なって金額になります。見積書の内訳の読み方と、金額が増えたり減ったりする理由を知っておくと、計画を立てたり見積もりを比べたりしやすくなります。

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見積書の金額は、工事費と諸経費などに分かれる

見積書の書き方は会社によって違いますが、大きく分けると、工事そのものにかかる費用と、工事全体を進めるための費用があります。国土交通省の公共建築工事の積算基準でも、工事費を直接工事費、共通費、消費税等相当額に分け、共通費を共通仮設費、現場管理費、一般管理費等に分けています。住まいのリフォームでも、この考え方を知っておくと見積書を読みやすくなります。

  • 工事そのものの費用:解体・撤去、大工工事、内装、設備機器、電気や給排水の配管・配線など。材料や機器の代金と、取り付けなどの手間を合わせた費用です。
  • 仮設の費用:床や共用部分の養生、足場、仮設の電気や水道など、工事を安全に進めるための準備です。見積書では、工事ごとの項目に含めて書く場合と、まとめて書く場合があります。
  • 現場管理と会社の経費:工程の調整、職人の手配、品質の確認など現場を管理運営する費用と、会社を続けて運営するための費用です。諸経費としてまとめて書かれることもあります。
  • 消費税

項目に「一式」とだけ書かれている場合は、何がどれだけ含まれているのかを聞いてみてください。国土交通省は、一式工事などの分かりにくい項目や、二重に計上された項目がないかを、見積もりを確かめる点として挙げています。見積書の読み方は、フルリフォームの見積書で確かめることと、相見積もり・業者選びの注意点でも整理しています。

費用を大きく左右するのは、工事の範囲

同じ広さの住まいでも、内装と設備の入れ替えが中心の計画と、床・壁・天井を解体して下地や配管からつくり直す計画では、工事の量が大きく違います。スケルトンリフォームのように解体する範囲が広いほど、解体と処分、下地、配管・配線の工事が増えます。戸建てでは、外壁や屋根まで含めるかどうかで、足場などの仮設も変わります。

間取りの変更も費用に関わります。壁を動かすと、床や天井の補修、照明やコンセントの位置、空調の見直しまで工事が広がることがあります。キッチンや浴室など水まわりの位置を移す場合は、給排水管の通り道や床の高さの調整が必要になることがあり、どこまで移せるかは建物ごとに違います。

断熱や耐震の改修を加えるかどうかも、範囲の一部です。完成後には見えなくなる部分ですが、床や壁を開ける全面改修は、こうした部分を見直しやすい機会でもあります。何を優先したいかを先に決めておくと、範囲と金額の関係が分かりやすくなります。

建物の状態や法令・規約で加わる工事と手続き

解体して初めて分かること

壁の中や床下には、解体するまで見えない部分があります。土台や柱の傷み、雨漏りの跡、配管の劣化などが見つかると、補修の工事が加わることがあります。国土交通省も、見積もりや図面の工事内容が希望と合っているか、追加工事の費用負担について合意があるかを、確かめる点に挙げています。

契約の前に、どのような場合に追加工事になりうるか、その時はどう相談して決めるかを聞いておきましょう。予算にも、こうした場合に備えた余裕を残しておくと、工事中も落ち着いて判断できます。

法令や管理規約に関わる準備

解体や改修の工事では、規模や金額にかかわらず、原則としてすべての工事で石綿(アスベスト)の事前調査が必要です。大田区の案内によると、建築物の調査は令和5年10月から有資格者が行うことになっています。また、請負代金の合計が100万円以上の改修工事などでは、調査結果を労働基準監督署と自治体(大田区の場合は区)へ報告する制度もあります。石綿を含む建材が見つかった場合は、その扱いも工事の内容に加わります。

2階建ての木造戸建てでは、2025年4月の改正建築基準法の施行により、大規模の修繕や模様替を行う時に建築確認の手続きが必要になりました。どこまで改修するかによって、設計や申請の準備が計画に加わることがあります。石綿の調査や建築確認の手続きは、制度の改正で変わることがあります。最新の扱いは国や自治体の公式ページで確かめてください。

マンションでは、管理規約や使用細則で、工事の申請や届け出、資材の搬入などについて決まりが定められていることがあります。国土交通省のマンション標準管理規約では、共用部分やほかの住戸に影響するおそれのある工事は、設計図や仕様書、工程表を添えて理事長に申請し、承認を受ける形になっています。工事できる範囲に関わるため、計画の早い段階で確かめておきたいところです。

設備と仕上げの選び方、工事の時期でも変わる

キッチンや浴室などの設備、床材や建具などの仕上げは、同じ種類でも製品や仕様によって価格に幅があります。すべてを同じ水準でそろえるのではなく、毎日よく使う場所とそうでない場所で考え方を分けると、予算の配分を決めやすくなります。

工事の時期によっても金額は変わります。国土交通省が公表している建設工事費デフレーター(工事費の物価の動きをみる指標)では、建築総合の指数が2026年3月から7月までの各月で、前年の同じ月を上回っています。数値は2026年9月30日付けの公表(2020年度基準)のもので、最新の数値は国土交通省の公表ページで確かめてください。検討に時間がかかる時は、見積もりに有効期限があるかどうかも確かめておきましょう。

工事費のほかにかかるお金

予算を考える時は、工事費以外のお金も含めておく必要があります。計画の内容によって、次のような費用がかかることがあります。

  • 仮住まいの家賃、引っ越し、荷物の一時保管
  • 工事請負契約書の印紙税(契約金額が100万円を超える建設工事の請負契約書は、令和9年3月31日までに作成されるものに軽減の措置があります。最新の扱いは国税庁の案内で確かめてください)
  • リフォームローンを使う場合の手数料や保証料など
  • 建築確認が必要な場合の設計や申請の費用
  • 新しく用意する家具やカーテン、家電など

補助金や減税の制度を使えると、負担を軽くできる場合があります。たとえば、窓の断熱改修を含む一定の省エネ改修には、要件を満たすと所得税から控除できる制度があります(国税庁、令和8年4月1日現在の法令等)。申し込みの時期や予算が決まっている制度もあるため、最新の条件は公式ページで確かめてください。調べ方はフルリフォームの補助金と減税で紹介しています。

見積もりが予算を超えた時の考え方

見積もりが予算を超えた時、値引きの交渉だけで合わせようとすると、仕様や工事の内容がどう変わったのかが分かりにくくなることがあります。まずは、もともと何を変えたかったのか、優先する順番を見直してみましょう。

  • 工事の範囲を絞る:今回必要な所と、後から工事できる所を分けます。
  • 仕様を見直す:設備や仕上げを、部屋ごとに考え直します。
  • 後から変えにくい部分を先に考える:構造の補強、断熱、配管など、床や壁の中に隠れる部分は、仕上げた後では工事がしにくくなります。

何を減らすと何が変わるのかを、工事する側と一緒に確かめながら決めることが大切です。契約前の見積書は、住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)の無料のリフォーム見積チェックサービスで、建築士の相談員に電話で相談することもできます。

フルリフォームの費用は、建物の状態と暮らし方の希望によって大きく変わります。範囲や予算がまだ決まっていない段階でも、建物の場所、今困っていること、残したいところを整理しておくと、相談がしやすくなります。進め方は住まいのフルリフォームでご案内していますので、迷った時は早めに工事のご相談からお知らせください。

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