住宅リフォームの準備から工事完了・引き渡しまでの手順

住宅リフォームは小規模な部分リフォームであれ大規模な全面リフォームであれ、準備から工事完了・引き渡しまでの基本手順は決まっています。

今回は住宅リフォームの一般的な手順をご紹介しましょう。

 

目次

住宅リフォームの手順
手順1 リフォーム目的の明確化
手順2 リフォームの情報収集
(1)Webでの情報収集
(2)紙媒体での情報収集
(3)ショールーム見学・セミナー参加による情報収集
手順3 予算とリフォーム資金調達の計画
手順4 住宅リフォーム会社の選定
手順5 契約締結
手順6 リフォーム工事前の準備
手順7 工事完了・物件引き渡し

 

 

手順1 リフォーム目的の明確化

老朽化した住宅設備の交換、子供の成長・増加に伴う間取り変更、二世帯同居に伴うバリアフリー化など、住宅リフォームにはそれぞれ目的があります。リフォームの目的が曖昧なまま住宅リフォーム会社から相見積を取り、見積の低い会社を選ぶだけでは成功するものも成功しません。

リフォームの計画に際しては、最初に家族と話し合ってこの目的を明確化する必要があります。リフォーム目的により予算、住宅リフォーム会社選定などが決まってくるからです。

 

 

手順2 リフォームの情報収集

目的が明確になったら、それに沿ったリフォーム情報を集めましょう。リフォームの予算と資金調達の適切な計画を立てるためには、情報収集が重要です。この情報収集は自宅リフォームの具体的なイメージ・要望を住宅リフォーム会社へ伝える際に重要になり、住宅リフォーム会社を選定する際の判断基準にもなります。

 

リフォーム情報の収集方法は一般に次が挙げられます。

 

(1)Webでの情報収集

■住宅リフォーム会社の公式サイト
企業の公式サイトは、その企業の看板と言えます。このため自社の経営・事業状況の広報活動として様々な情報公開を行っています。住宅リフォーム会社の公式サイトでも会社概要、事業内容、施工実績などの情報を公開しています。中には施工事例として「施工前・施工中・施工完了」のプロセスを画像で分かりやすく紹介している会社もあります。施工事例はリフォーム工事の具体的な流れを知る上でも参考になります。

■不動産情報ポータルサイト
不動産情報ポータルサイトにはリフォームの施工事例、リフォーム工事費用の相場、住宅リフォーム会社の紹介などのコンテンツも数多く掲載されています。住宅リフォームの礎知識を得る上で参考になるでしょう。

 

(2)紙媒体での情報収集

■住宅リフォーム専門誌
住宅リフォーム専門誌にはリフォーム計画・資金調達計画の仕方、住宅設備・インテリアの選び方、リフォーム会社の選び方、補助金・税制優遇措置などに関するノウハウ記事が豊富に掲載されています。「リフォームによる理想の住まいづくり」をイメージする上で役立つでしょう。

■メーカーのカタログ
メーカーが発行しているカタログを見れば最新の住宅設備・建材、現在の住宅リフォームのトレンドなどの情報を得られます。大手メーカーの場合は大半が自社サイトから資料請求できる仕組みを作っているので、数社から住宅設備、建材、インテリアなどのカタログを入手すると良いでしょう。

 

(3)ショールーム見学・セミナー参加による情報収集

■ショールーム見学
情報収集におけるショールーム見学のメリットは、住宅設備、建材、インテリアなどの「実物を見て、触り、使用体験」ができることです。ショールームには説明役の社員が常駐しているので、分からない点や疑問点はその場で質問できるのもメリットです。

■セミナー参加
住宅リフォーム会社、住宅リフォーム関連公益団体などが優良住宅のストックを目指し、様々なリフォーム関連セミナーを開催しています。これらのセミナーでは「リフォーム専門家」の客観的な話を聞ける場合が多いので、「失敗しないリフォーム」をするための勉強の機会にもなるでしょう。

 

 

手順3 予算とリフォーム資金調達の計画

情報収集結果を参考に、自宅リフォームの予算と資金調達の計画を立てます。

住宅リフォームの予算は、一般に「リフォームの規模+更新・追加する住宅設備の価格+リフォーム個所の劣化状況」により算出できます。しかし実際の予算はリフォームの種類により大きく異なります。

 

リフォーム工事費(住宅設備費や資材費を除く)は築年数と工事床面積にもよりますが、2021年現在では一般に、以下が相場と言われています。

・部分リフォームは30万円から
・戸建て住宅の全面リフォームは1000万円前後
・スケルトンリフォームは800万円以上

 

これらを勘案して予算概算を算出し、それを目安に自分たちが捻出できる予算と照らし合わせ、リフォームの規模や更新・追加する住宅設備の性能などを詰めていきます。

予算計画が決まったら、それに基づくリフォーム資金調達計画を立てます。リフォーム資金は自己資金に加え、リフォームローン、国や地方自治体のリフォーム補助金制度などがあるので、これらを調べて計画に盛り込めば無理のないリフォーム計画を立てられるでしょう。

 

 

手順4 住宅リフォーム会社の選定

リフォーム情報の収集結果を参考に、リフォーム工事依頼候補の会社を数社選び、見積を取ります。

住宅リフォームは建築関連の様々な会社が行っていますが、リフォーム工事からアフターフォローまで全てお任せする形でリフォームをお願いできる会社は、基本的に次の5業態と言えます。

・住宅リフォーム専門会社
・工務店
・ハウスメーカー
・住宅建築会社
・住宅設備メーカーの住宅リフォーム工事代理店

 

住宅リフォームを依頼する会社を決めたら、同一条件で複数の会社に見積依頼をし、工事費の内訳と見積概算、施工体制と保証事項、施工実績などを基準に候補を絞り、当該会社営業社員の提案やヒアリングを経て住宅リフォームを依頼する会社を決めます。

 

 

手順5 契約締結

リフォーム工事依頼を決定した住宅リフォーム会社と契約を締結します。

契約書には住宅リフォームの合計金額、工期など基本的な事項のみを記載するのが一般です。リフォーム工事の内訳、住宅設備の性能・金額、保証事項などを「契約添付書」で確認し納得してから契約に望みましょう。また疑問点がある場合、必ず契約前に解消しておきましょう。

 

 

手順6 リフォーム工事前の準備

契約を締結し、施工日が決まったら、それまでに近隣への挨拶、宅内片付けなどの「工事前準備」を行います。

ケースによって行うべき内容は変わってくるため、どのような準備が必要かをあらかじめ担当業者に相談しておくのがおすすめです。

 

 

手順7 工事完了・物件引き渡し

工事完了の連絡を受けたら、リフォーム会社の工事責任者立会いの下でリフォームの完了状況を確認し、物件引き渡し手続きを行います。

工事完了の連絡を受けたら、リフォーム会社の工事責任者立会いの下で「リフォームアフター」の状況を確認し、住宅設備等は動作状況も確認し、補修が必要な場合は補修内容とその費用を確認した後、引き渡し手続きを行います。この際、工事完了確認書と保証書の交付を忘れないことが重要です。

 

なお住宅リフォームは1度行ったらそれで十分と言う性質のものではありません。末永く快適に暮らすと同時に自宅の資産価値低下させないため、定期的なリフォーム(修繕)が必要です。外壁、外構、屋根などのリフォームは10年ごと、内装、住宅設備、建具などのリフォームは20年ごと、全面リフォームは35年に1回が目安とされています。

一見頑丈な住宅も、放置しておくと経年劣化は避けられません。それを防ぐ意味でも定期的な点検を行うようにしましょう。

 

 

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