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家全体を改修するときに補助金や減税を使えるかどうかは、工事の内容と時期、手続きの順番で決まります。制度は年度ごとに変わり、工事の契約や着工の前に申請が要るものもあります。この記事では、2026年10月時点で国と川崎市・横浜市・大田区の公式ページに載っている内容をもとに、調べ方と気をつける順番を整理します。
補助金と減税は、手続きをする人と時期が違う
補助金は、国や市区が工事費の一部を出す仕組みです。多くは予算の上限があり、上限に達すると受付が終わります。国の住宅省エネの補助は、登録した工事会社が申請する仕組みで、リフォームをした方が直接申請することはできません。
減税は、工事のあとにご自身で手続きをします。所得税は確定申告、固定資産税は家のある市町村への申告です(東京23区は都税事務所)。補助金を受けた場合は、その額を工事費から差し引いて計算します。ローンの選び方は、フルリフォームの資金計画で扱っています。
国の補助は、省エネの工事が中心
2026年は、国土交通省・経済産業省・環境省が連携する住宅省エネ2026キャンペーンとして、次の事業が行われています。組み合わせて使う場合は、まとめて申請できます。
- みらい
エコ住宅2026事業 (国土交通省) - 先進的窓リノベ2026事業
(環境省) - 給湯省エネ2026事業
(経済産業省) - 賃貸集合給湯省エネ2026事業(経済産業省)
フルリフォームと関わりが深いのは、みらいエコ住宅2026事業のリフォームです。原則として平成28年12月31日以前に新築された住宅が対象で、床・壁・天井の断熱改修を含む幅広い工事が補助の対象になります。
条件は、外に面した窓などがある部屋を1つ選び、その部屋の外に面した窓などをすべて断熱改修することです。窓の性能によっては、床・壁・天井の断熱改修も組み合わせる必要があります。補助の上限は、新築の時期と工事の水準により1戸40万円から100万円で、上限の高い水準では高効率給湯器か高効率エアコンの設置も加わります。
対象は2025年11月28日以降に着手した工事で、工事は遅くとも2026年12月31日までに終える必要があります。交付申請は工事が終わってから工事会社が行い、締切は2026年12月31日、着手の後に任意で行う予約は2026年11月16日までで、どちらも予算の上限に達した時点で終わります。工事の契約より前に着手した工事は対象になりません。年内に工事を終えられない計画ではこの事業は使えないため、2027年以降の国の補助は公式ページで最新の発表を確かめてください。
減税は、所得税・固定資産税・贈与税を分けて考える
住宅ローン控除(増改築)
返済期間10年以上のローンで一定の増改築等をした場合、年末のローン残高の0.7%が10年間、所得税・住民税から控除されます。1年あたりの控除の上限は14万円です。2030年(令和12年)12月31日までに住み始めた場合が対象です。補助金を差し引いた工事費が100万円を超えること、工事後の床面積が50㎡以上であること、合計所得金額が2,000万円以下であること、工事から6か月以内に住み始めることなどが条件です。
リフォーム促進税制(所得税)
ローンの有無にかかわらず、耐震、バリアフリー、省エネ、同居対応(国税庁の名前は多世帯同居改修工事)、長期優良住宅化、子育て対応の工事が対象です。適用期限は2028年(令和10年)12月31日で、工事の種類ごとに要件と上限があります。増改築のローンで住宅ローン控除を使う場合、バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化・子育て対応の所得税の控除とは、どちらか一方を選ぶことになります。耐震改修の所得税の控除は、国税庁の案内では、条件を満たせば住宅ローン控除と両方を受けられます。
固定資産税の減額
耐震、バリアフリー、省エネ、長期優良住宅化の工事で、築年数や工事費などの条件を満たすと、工事の翌年の固定資産税が、工事の種類に応じて3分の1から3分の2に相当する額だけ減額されます。2031年(令和13年)3月31日までの工事が対象です。申告は工事完了から3か月以内で、川崎市は区を担当する市税事務所、横浜市は区役所の税務課、大田区など東京23区は家のある区の都税事務所が窓口です。
贈与税の非課税
父母や祖父母から資金の贈与を受けて増改築等をする場合の贈与税の非課税は、国税庁の案内では2026年(令和8年)12月31日までの贈与が対象です。工事費が100万円以上であることなどが条件で、贈与を受けた翌年に申告が要ります。
減税に要る書類
減税の種類に応じて、増改築等工事証明書などの書類が要ります。この証明書は、登録された建築士事務所に属する建築士などが発行します。バリアフリー改修の固定資産税の減額は、求める書類が自治体によって異なります。契約書や領収書の写しも保管しておきましょう。
川崎市・横浜市・大田区の補助を確かめる
市区の補助には、工事前の申請や、施工する会社の登録・所在地が条件になっているものがあります。会社を決める前に確かめておくと、使えるはずの制度を逃しにくくなります。耐震と断熱を合わせて見直す工事の考え方は、戸建てのスケルトンリフォームで、耐震と断熱はどこまで見直せるかもご覧ください。
川崎市
木造住宅耐震改修助成制度は、平成12年5月31日以前に工事に着手した、木造在来工法で2階建て以下の住宅などが対象です。市の現地調査と申請を経て交付決定を受けてから契約する流れで、交付決定の前に結んだ工事契約は対象になりません。施工者は、市の講習会を受けて登録された施工者に限られます。分譲マンションの耐震改修の助成は、管理組合が行う工事が対象です。
太陽光発電設備や蓄電池の設置費補助もあり、交付決定通知を受け取る前に着手した工事は対象外です。2026年度の申請は12月28日までで、予算の状況により早く終わる場合があります。
横浜市
戸建ての既存住宅を断熱改修して市内に住み続ける方への既存住宅断熱改修補助制度があり、2026年度の本申請の締切は11月30日です。申請は市の登録制度に登録された(または登録予定の)事業者が行い、個人が直接申請することはできません。木造住宅耐震改修補助は、平成12年5月末日以前に建築確認を得て着工した2階建て以下の在来軸組構法の木造個人住宅が対象で、施工事業者は市内に本社がある業者に限られます。
大田区とほかの地域
大田区の住宅リフォーム助成事業は、区内に本社がある中小事業者との契約と、工事開始前の事前申込が必要です。ほかの市区町村の制度は、住宅リフォーム推進協議会の支援制度検索サイトで探せます。掲載内容が最新とは限らないため、最後は各自治体の公式ページか窓口で確かめてください。
使いそびれないための順番
制度ごとに条件は違いますが、確かめる順番はおおむね共通です。住まいのフルリフォームの計画と並べて、次の点を押さえておきましょう。
- 計画の早い段階で、工事の内容に合いそうな国と市区の制度を挙げる
- 工事の契約や着工の前に必要な申請と、その締切を確かめる
- 施工する会社が、制度の登録や所在地の条件に当てはまるかを確かめる
- 証明書や、
契約書・ 領収書の 写しを そろえる - 工事完了から3か月以内に固定資産税の申告をし、住み始めた翌年に確定申告をする
ご家族に要支援・要介護の認定を受けている方がいる場合は、介護保険の住宅改修も確かめましょう。手すりの取り付けなどの住宅改修では、申請により、費用(上限20万円)の7割から9割の払い戻しを受けられます。川崎市の案内では、申請は改修の前後2回必要とされています。
ここに挙げた内容は2026年10月時点のもので、最新の条件は各制度の公式ページで確かめてください。どの制度が使えるかは、工事の範囲や時期が見えてこないと分からないこともあります。迷った時は、計画の早い段階で工事のご相談からお知らせください。
