キッチンリフォームに失敗しないコツ

キッチンリフォームを考える動機はさまざまです。キッチン設備が度々故障する、調理台が低い(あるいは高い)ので疲れる、通路が狭くて調理がしにくい、収納が狭くてキッチンが雑然としているなど台所仕事の不満解消としてリフォームする。中古住宅を購入するのと合わせ、自分たちが使いやすいようリフォームする、など。

ここではそんなキッチンリフォームに失敗しないコツを解説します。

目次

キッチンリフォームに失敗しないコツ
キッチンリフォームの主役「システムキッチン」とは
システムキッチンのタイプ
(1)I型
(2)L型
(3)U型
(4)アイランド(独立)型
(5)ペニンシュラ(半島)型
キッチンリフォームに失敗しないためのポイント
第1段階ːキッチンリフォーム全体で考えるべきこと
手順1:キッチンリフォームのレイアウトを考える
手順2:ワークトップのスペースを考える
手順3:ワークトップの高さを考える
手順4:キッチンの通路幅を考える
手順5:キッチンの収納を考える
第2段階ːシステムキッチン選びで考えるべきこと
手順1:DKのスペースを採寸する
手順2:システムキッチンのレイアウト決める
手順3:メーカーと製品とオプションを決める
キッチンリフォーム工事会社選びのポイント
(1)事業歴が長く、キッチンリフォーム工事の実績が豊富
(2)国のリフォーム工事登録団体に加盟している
(3)見積書の内容が適切
(4)アフターフォロー制度がある
まとめ

キッチンリフォームの主役「システムキッチン」とは

現在の住宅の標準的な間取りの1つである「DK(食堂兼台所)」の主役がシステムキッチンと言われています。そのせいかキッチンリフォームは、「従来型キッチン設備からシステムキッチンへの取替え」あるいは「老朽化したシステムキッチンの取替え」の文脈で語られるのが通例といえます。

ではそもそもシステムキッチンとは、どんなキッチン設備なのでしょうか。

システムキッチンはシンク(流し台)、コンロ(加熱器)台、調理台、収納など調理に必要な設備一式を、一枚板の「ワークトップ(システムキッチンの調理台。天板とも呼ばれる)」によりシームレスに一体化したキッチン設備のことです。

欧米の「ビルトインキッチン」を参考に、狭い日本の住宅事情に合わせて開発されたもので、1970年代後半から普及しました。従来型のキッチン設備は工場で製造したシンク、コンロ台、調理台などの完成品をキッチンに搬入、据え付けます。

対して工場で製造したシンク、調理台、コンロ台、収納などのユニットをキッチンに搬入し、キッチンのスペースに合わせて組み立てるのがシステムキッチンの特徴です。

なお、システムキッチンのサイズは「奥行60~65cm、間口(横幅)180~300cm」が一般的です。

システムキッチンのタイプ

システムキッチンは次の5タイプに大別されます。

(1)I型

シンクとコンロを一直線に並べ、壁付けした最もシンプルなタイプです。設備が横一直線に配置されているので、スペースを取りません。

(2)L型

シンクとコンロをL字に並べて壁付けしたタイプです。L字の角の部分に調理器具や食器を並べるなど広いスペースで効率的に調理をできるのが特徴と言えます。

(3)U型

「コの字型」とも呼ばれ、キッチンを囲む形でキッチン設備を配置したタイプです。コの字の1面がダイニングと接しているので、配膳や食後の後片付けをスムーズに行えるのが特徴と言えます。

(4)アイランド(独立)型

キッチン設備が壁と接していないタイプです。設備がキッチン内で独立しているので開放感があり、設置場所も比較的自由に決められます。

(5)ペニンシュラ(半島)型

アイランド型の一片が壁に接しているタイプです。アイランド型と同じく開放感があり、設置場所も比較的自由に決められます。

キッチンリフォームに失敗しないためのポイント

キッチンリフォームに失敗しないためには、踏むべき基本的な手順があります。これは次の2段階に分かれています。

第1段階ːキッチンリフォーム全体で考えるべきこと

手順1:キッチンリフォームのレイアウトを考える

キッチンは基本的に広い方が使いやすくなりますが、設備の間隔が空きすぎると調理中の移動距離が長くなり、かえって使い勝手が悪くなります。

距離的には…

  • シンクからコンロ……130~190cm
  • シンクから冷蔵庫……130~220cm
  • コンロから冷蔵庫……130~250cm

が目安とされています。

手順2:ワークトップのスペースを考える

近年のシステムキッチンはシンク・蛇口、コンロが多機能で、これらに気を取られてワークトップのスペースを忘れがちです。システムキッチンがいかに多機能でも、ワークトップのスペースが狭いとこの多機能を活かせず、システムキッチン全体の使い勝手が悪くなります。

ワークトップのスペースは間口70~110cmが目安とされています。

手順3:ワークトップの高さを考える

キッチンの使いやすさはシステムキッチンのワークトップの高さも大きく影響します。調理をする人にとって「高すぎず、低すぎず」が最もストレスが小さく、疲れが少ないからです。使いやすいワークトップの高さは「調理する人の身長÷2+5cm」が目安と言われています。

例えば165cmの人だと「165cm÷2+5cm=87.5cm」になります。ただしこれには個人差があるので、システムキッチンメーカーのショールーム等で高さを体験して確認するのがベターでしょう。

手順4:キッチンの通路幅を考える

キッチンリフォームをする際は、せっかくの機会なので通路幅を忘れずに改善したいところです。適切な通路幅は動きやすいキッチンになり、調理のストレスを小さくするからです。
キッチンの通路幅は、1人で調理する場合は80cm―100cm、2人で調理する場合は100cm―120cmが目安とされています。

手順5:キッチンの収納を考える

キッチンリフォームをする際は、収納の見直しも重要です。何人家族で、食器が何種類・何枚あるのか、調理器具が何種類・何個あるのか、炊飯器・電子レンジ・ミキサー・フードプロセッサー等の調理家電が何台あるのか、米・食パン・インスタント麺・缶詰・レトルト食品等の常温保存食材はどこに収納するのかなどにより、必要な収納の種類と大きさが変わってきます。

収納物が多い場合は、背面収納や床下収納も検討する必要があるでしょう。

第2段階ːシステムキッチン選びで考えるべきこと

手順1:DKのスペースを採寸する

キッチンリフォーム成功の鉄則は採寸です。単にシステムキッチンを取り替えるだけのリフォームなら、システムキッチン設置場所の採寸で十分ですが、使いやすくて便利なキッチンにリフォームする場合は、DKのスペース全体を採寸する必要があります。

手順2:システムキッチンのレイアウト決める

DKの正確なスペースを把握したら、システムキッチンのタイプとレイアウトを決めます。

手順3:メーカーと製品とオプションを決める

システムキッチンのタイプとレイアウトを決めたら、システムキッチンのメーカーと製品と収納・食器洗い乾燥機・浄水器等のオプション設備を決めます。

キッチンリフォーム工事会社選びのポイント

キッチンリフォームの成功は、いかにして優秀なリフォーム工事会社を見つけるかにかかっていると言っても過言ではありません。その判断基準として、一般に次が挙げられます。

(1)事業歴が長く、キッチンリフォーム工事の実績が豊富

キッチンリフォーム工事は、システムキッチンを取り替えるだけの工事でも養生、解体・撤去、給排水管・電気配線、下地造り、内装など複雑な工程と高度な施工技術を要します。これを見極めるポイントが事業歴とキッチンリフォーム施工実績と言えます。

(2)国のリフォーム工事登録団体に加盟している

消費者が優秀なリフォーム工事会社を選べる環境を整備するため、国土交通省は2014年から告示による「住宅リフォーム事業者団体登録制度」を実施しています。リフォーム工事会社がこの登録団体に加盟するには、建設業許可を始めとするリフォーム工事関連資格有無の審査を受け、その上で登録団体が実施するコンプライアンス研修や技術講習を受けなければなりません。

登録団体に加盟しているリフォーム工事会社は、工事依頼先選びの重要な判断基準の1つと言えるでしょう。なお2021年9月末現在、「日本住宅リフォーム産業協会」、「住宅リフォーム推進サポート協議会」など16団体が国の登録団体となっています。

(3)見積書の内容が適切

見積書に工事費の詳細を分かりやすく記載している工事会社は、その適正さと透明性に自信を持っている会社と言えるでしょう。

(4)アフターフォロー制度がある

キッチンリフォーム完了後の工事保証、定期点検などのアフターフォロー制度がある工事会社は、自社の工事に対する責任感が強い会社と言えるでしょう。

まとめ

キッチンリフォームの標準的な工期は2-4日と言われています。ただしこれはキッチン設備を取り換えるだけの場合です。設備の位置変更や劣化・腐食したキッチンの床の補修、張替などが必要な場合は1週間以上と言われています。リフォームしたキッチンを気持ちよく、長く使い続けるためには、やはり上記の判断基準に合致した工事会社を見つける必要があるでしょう。

 

 

Follow me!