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フルリフォームなどで間取りを大きく変え、壁を取りたいとき、その中の柱を抜けるかどうかは、柱の名前や太さではなく、家を支える役目を担っているかで決まります。同じ木造でも、柱と梁で支える在来工法(在来軸組構法)と、壁と床で支えるツーバイフォーでは、確かめる場所が違います。ここでは、抜けない柱・壁の見分け方と、計画の前に確かめておきたいことを整理します。
柱を抜けるかどうかは、家を支える役目で決まる
建築基準法施行令では、柱・壁・筋かい・梁・土台などのうち、建物の重さや地震・風の力を支えるものを、構造耐力上主要な部分と呼んでいます。抜けない柱と言われるのは、この役目を担う柱です。こうした柱は、梁で受け直すなど別の支え方に置き換えない限り、そのままでは抜けません。
柱を1本抜くと、その柱が受けていた重さを、梁など別の部材で受け直す必要があります。地震や風に耐える壁が減れば、家全体の釣り合いも変わります。そのため、1本の柱だけを見て決めず、上の階や屋根からの重さの流れと、壁の量と配置をまとめて確かめます。
在来工法(在来軸組構法)の柱と壁の種類
在来工法の家には、役目の違う柱や部材があります。間取り変更でよく話題になるのは、次の4つです。
- 通し柱(とおしばしら):1階から2階まで1本の材で通した柱です。法令では、2階建て以上の家の隅の柱などは、原則として通し柱とすることが定められています。家の骨組みの要になるため、残すことを前提に計画します。
- 管柱(くだばしら):階ごとに区切られた柱です。上の階の床や屋根の重さを受けていることが多く、抜く場合は、梁を太くするなど別の支え方で重さを受けられるか、その家ごとに確かめる必要があります。
- 間柱(まばしら):柱と柱の間に立つ細い材で、主に壁の下地を留めるためのものです。上の階の重さを受ける柱とは役目が違いますが、構造用合板などを張った耐力壁の一部になっていることがあります。
- 筋かい:柱と柱の間に斜めに入れる材で、地震や風による横からの力に抵抗します。筋かいの入った壁は、耐力壁として働いています。
間柱を抜けるかどうかは、間柱だけでなく、その壁が耐力壁かどうかで判断します。筋かいについて、法令では原則として欠込み(材の一部を削ったり切り欠いたりすること)をしてはならないと定めています。配線や収納のために筋かいを削ることは避けます。
耐力壁を取り除きたいときは、別の場所に耐力壁を設けて、壁の量と配置を確かめ直す方法を検討します。法令は、各階の縦と横のそれぞれの方向に、耐力壁を釣り合い良く配置することを求めています。柱を動かす場合は、柱と梁・土台のつなぎ目も、かかる力を伝えられるように金物などで留め直します。
ツーバイフォー(枠組壁工法)は壁と床で家を支える
ツーバイフォーは、国の告示などでは枠組壁工法と呼ばれます。木材で組んだ枠に構造用合板などを打ち付けて壁と床をつくり、その壁と床で建物全体を支える工法です。在来工法のような柱と梁の骨組みではなく、壁の中には、たて枠と呼ぶ材が決められた間隔以下で並んでいます。
そのため、ツーバイフォーで間取りを変えるときは、柱よりも、取りたい壁が耐力壁かどうかが問題になります。ツーバイフォーの技術的な基準を定めた国の告示(平成13年国土交通省告示第1540号。2025年10月28日改正後の内容)では、耐力壁が並ぶ線(耐力壁線)に設ける開口部の幅は4m以下、その幅の合計は耐力壁線の長さの4分の3以下とされています。
耐力壁線で囲まれた区画の広さも、原則40㎡以下です(床の補強などの条件を満たす場合は60㎡、または72㎡まで)。これらの決まりには、構造計算で安全を確かめた場合に適用しないものもあり、壁を取ることが一律にできないわけではありません。
2部屋を1部屋にする、窓や出入口を広げるといった変更も、どの壁が耐力壁か、開口の上をどう支えるかを確かめたうえで検討します。幅90cm以上の開口部の上には、原則として、まぐさと呼ぶ横材を設けることも定められています。告示は改正されることがあるため、最新の内容は国土交通省の公式ページで確かめてください。
抜けない柱・壁を見分ける手順
壁の中の柱や筋かいは、見た目では分かりません。柱の位置や太さだけで判断せず、資料と現地の両方で確かめます。
- 建てたときの図面を探す:確認申請の書類、平面図、柱や梁の配置を示す伏図、壁の量の計算書などがあれば、通し柱や耐力壁の位置の手がかりになります。仕様書などに枠組壁工法と書かれていれば、ツーバイフォーの家です。
- 図面と今の家を見比べる:建てた後の増改築や、工事中の変更が、図面に反映されていないことがあります。
- 天井裏や床下を見る:点検口から、梁の向きや柱の位置、工法の手がかりを確かめます。
- 建てた会社に問い合わせる:図面の控えが残っていることがあります。工場でつくった部材を組み立てる住宅(プレハブ住宅)は、建てた会社に構造の資料を問い合わせてください。
図面が見つからない場合、川崎市では、確認申請(昭和46年以降)の際に出された建築計画概要書を閲覧できます。2026年3月16日からは、事前に利用者登録を申請して市の承認を受ければ、インターネットでも無料で閲覧できます。ただし市の案内では、敷地の配置図や案内図はあるものの、建物の図面はありません。最後は壁の一部を開けて確かめたり、解体して初めて分かったりすることもあるため、計画には変更の余地を残しておくと進めやすくなります。
2025年4月から、木造2階建てなどの大規模なリフォームに建築確認が必要に
2025年4月に施行された改正建築基準法で、木造2階建ての戸建てなどで大規模なリフォームを行う場合は、工事の前に建築確認の手続きが必要になりました。国土交通省の案内では、木造平屋で延べ面積200㎡以下の家は、大規模なリフォームでも建築確認は不要とされています。同じ案内では、大規模なリフォームとは、主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根または階段)の一種以上について行う過半の改修等を指すとされています。
法律では、構造上重要でない間仕切壁や間柱は、主要構造部から除かれています。間仕切りの壁を数か所取る程度で、すぐに当てはまるとは限りません。一方、骨組みを残して内部をつくり直すスケルトンリフォームでは、当てはまる可能性があります。
延べ面積が100㎡を超える建物で大規模なリフォームを行う場合は、建築士による設計・工事監理が必要です(都道府県が別に延べ面積などを定めている場合があります)。今の法律に合っていない部分があれば、合わせる工事が別に要る場合もあります。詳しくはスケルトンリフォームや増築で建築確認が必要な場合にまとめています。最新の条件は、国土交通省や自治体の公式ページで確かめてください。
抜けない柱を、間取りの中で生かす
確かめた結果、残すと決まった柱や壁も、間取りの中で生かす方法があります。柱を見せて部屋の区切りの目印にする、柱を芯にして棚やカウンターをつくる、といった考え方です。開けられない壁があるときは、扉や開口の位置を変えて、部屋のつながりをつくれることもあります。
天井を張らずに梁を見せる、あらわしという方法もあります。天井が高く感じられ、木の質感が出る一方で、照明の配線や断熱、上の階からの音の伝わり方も一緒に考える必要があります。部屋のつなぎ方を決めるときは、間取りを変える前に、家族の動きから考える視点も役に立ちます。
壁や天井を開けると、柱や土台の傷み、断熱の状態も見えてきます。間取りの変更と合わせて耐震や断熱を見直す考え方は、戸建てのスケルトンリフォームで、耐震と断熱はどこまで見直せるかで紹介しています。
柱や壁を抜けるかどうかは、家ごとに答えが違います。家全体の改修の中で間取りを変えたいときは、図面がない、工法が分からないという段階でも、早めにご相談いただければ、確かめる順番から一緒に整理できます。間取り・内装・設備をまとめて考える改修については、住まいのフルリフォームのページもご覧ください。
