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フルリフォーム、リノベーション、スケルトンリフォームは、どれも家に大きく手を入れる工事を指す言葉ですが、使い分けは会社や場面によって異なります。言葉の違いを覚えるより、どこまで解体し、何を残し、何を新しくするかを確かめるほうが、工事を選ぶうえで役に立ちます。この記事では、3つの言葉の一般的な使われ方と、戸建て・マンションそれぞれで気をつけたい点を整理します。
言葉ごとに、指すことの多い工事の範囲
もとになるリフォームという言葉も含めて、一般によく使われる意味は次のとおりです。ただし、同じ言葉でも、会社によって指している工事の範囲が違うことがあります。
- リフォーム:傷んだ所や古くなった所を直したり、設備を新しくしたりする工事。部分的な工事にも、家全体の工事にも使われます。
- フルリフォーム(全面リフォーム):家全体を対象に、内装・設備・間取りなどをまとめて見直す工事。どこまで解体するかは計画によって変わります。
- リノベーション:間取りや住まいの性能を変え、今の暮らし方に合わせてつくり変える改修を指して使われることが多い言葉です。家全体に行う場合は、フルリノベーションと呼ばれることもあります。
- スケルトンリフォーム:建物の骨組みを残して内装や設備をいったん取り払い、内部をつくり直す工事。解体の範囲を表す言葉です。
フルリフォームやリノベーションの中には、骨組みまで解体する工事もあれば、床や壁の下地を残して仕上げと設備を新しくする工事もあります。呼び方だけで工事の中身は決まらないため、計画と見積もりの段階で、解体する範囲と残す部分を具体的に確かめることが大切です。
法律では、呼び方ではなく工事の内容で扱いが決まる
建築基準法の用語の定義には、リフォームやリノベーションという言葉は出てきません。家に大きく手を入れる工事にかかわる言葉としては、大規模の修繕・大規模の模様替があります。どちらも、建物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕・模様替をいいます。
主要構造部とは壁・柱・床・はり・屋根・階段のことで、構造上重要でない間仕切壁などは除かれます。大規模の修繕・模様替は、これらのうち1種類以上について、その半分を超える範囲を直したり、つくり変えたりする工事のことです。国土交通省の解説事例集では、半分を超えるかどうかを、壁は面積、柱やはりは本数というように、種類ごとに判断するとされています。
大規模の修繕・模様替をするときに建築確認が必要になる建物の範囲が、2025年4月から広がりました。国土交通省の案内では、木造2階建ての戸建てなどで、2025年4月以降に工事に着手する大規模なリフォームは、事前に建築確認の手続きが必要になるとされています。延べ面積が200㎡を超える木造平屋建ても同じ扱いです。
例として、階段の架け替えや屋根の全面的な改修は該当し、屋根や壁の仕上げ材だけの改修は該当しないと示されています。キッチン・トイレ・浴室などの水まわりのリフォームや、手すり・スロープの設置は手続き不要とされています。ただし、工事の内容によっては該当する場合があるとして、建築主事や指定確認検査機関への相談が案内されています。
手続きは工事に着手する前に終える必要があり、今の法律に合っていない箇所があれば、合わせるための工事が別に必要になる場合もあります。詳しくはスケルトンリフォームや増築で建築確認が必要な場合で説明しています。最新の取り扱いは、国土交通省の案内や、建物のある自治体の窓口で確かめてください。
戸建てのスケルトンリフォームで見直せること
戸建てのスケルトンリフォームでは、柱・はり・基礎などの骨組みを残し、内装や設備、配管などを取り払ってからつくり直します。計画によっては外壁や屋根まで新しくします。床や壁を開けるため、ふだん見えない土台や柱の傷み、断熱材の状態、配管の古さを確かめたうえで、直す所を決められるのが良い点です。
間取りを大きく変えたい時や、耐震と断熱をまとめて見直したい時にも検討されます。ただし、抜けない柱や壁もあり、どこまで変えられるかは建物の構造によって違います。耐震と断熱の見直しについては、戸建てのスケルトンリフォームで、耐震と断熱はどこまで見直せるかで整理しています。
気をつけたいのは、解体して初めて分かる傷みがあることです。補修が増えれば、計画や費用、工期が変わる場合があります。家の大部分が使えなくなるため、工事中の住まい方も早めに考えておきたい点です。
スケルトンリフォームは骨組みを残す工事ですが、床や壁を取り払うため、建築確認が必要になる場合があります。判断の目安として、国土交通省の解説事例集に、木造2階建ての戸建てなどの例が示されています。
床は、根太(床板を支える横木)まで改修する面積が、床全体の半分を超える場合に建築確認が必要とされています。いちばん下の階の床は、この床に含みません。壁は、壁を構成する主要な材まで改修する面積が、壁全体の半分を超える場合に必要とされています。実際の計画で判断がつかない場合は、特定行政庁(建物のある市町村の長、または都道府県知事のこと)に相談するよう案内されています。
マンションでは、専有部分と共用部分の境目を先に確かめる
マンションでは、住戸の中を取り払ってコンクリートの躯体(柱・はり・床・壁のコンクリート部分)を残し、配管なども含めて内部をつくり直す工事を、スケルトンリフォームと呼ぶことが多いです。工事の中心は、各住戸の持ち主(区分所有者)のものである専有部分です。廊下や外壁など、専有部分以外の建物の部分は共用部分で、原則として持ち主全員の共有です。この境目を、計画の前に確かめることが大切です。
国土交通省のマンション標準管理規約(管理規約のひな型。2025年10月改正)では、天井・床・壁は、躯体部分を除く部分を専有部分としています。玄関扉は錠と内側の塗装部分だけが専有部分で、窓枠と窓ガラスは専有部分に含まれません。配管も、給水管は本管から各住戸のメーターを含む部分まで、排水管は継手と立て管が共用部分とされています。
同じひな型のコメントでは、区分所有者は建物の主要構造部に影響を及ぼす行為はできないとされています。また、床のフローリング、ユニットバスの設置、配管の枝管の取り替え、間取りの変更などは、事前に理事長へ申請して承認を受ける工事の例に挙げられています。申請には設計図・仕様書・工程表を添えます。
実際の決まりはマンションごとの管理規約や使用細則で異なるため、計画の初めに確かめてください。工事できる範囲は、マンションのフルリフォームでできること・できないことでも説明しています。
どれを選ぶかは、変えたいことと建物の状態から考える
呼び方を先に決める必要はありません。次のようなことを整理すると、必要な工事の範囲が見えてきます。
- 間取りを変えたいか、今の部屋割りのままでよいか
- 配管・断熱・耐震など、見えない所も見直したいか
- 建物の
傷みの 様子や、 これまでの 修繕の記録 - 住みながら工事したいか、仮住まいができるか
- 希望する
時期と、 予算の 考え方
気になる所が一部の設備や内装に限られるなら、家全体を解体しなくても足りることがあります。反対に、あちこちに手を入れたい場合は、家全体を一つの計画にまとめたほうが、工事の重なりやつなぎ目を整理しやすくなります。
どちらの場合も、見積書や計画書で、解体する範囲・残す部分・新しくする範囲を項目ごとに確かめると、言葉の違いによる行き違いを防ぎやすくなります。家全体の改修の考え方は、住まいのフルリフォームとスケルトンリフォームのページでも紹介しています。
フルリフォームにするか、スケルトンリフォームまで行うかは、建物を見てみないと決められないことも多くあります。言葉が決まっていなくても、困っていることや変えたいこと、図面や管理規約などの資料があれば、計画は始められます。当社では、川崎市幸区・中原区・川崎区、横浜市鶴見区・港北区、東京都大田区で、戸建て・マンションの全面改修のご相談をお受けしています。迷っている段階でも、早めにご相談ください。
